えらい人<上司Aが結婚するみたいです。
ぼく<おめでとうございます。
えらい人<上司A夫妻を呼んで食事会します。
ぼく<え?
ということで某日、府内某所のホテルで上司A夫妻と職場の人達で食事会をしたレポです。
今回の目標【失言をしない】
〜当日〜
普段飲み会をしない職場なので、緊張で就業時間終了が近づくにつれ胃を鷲掴みにされるような感覚に襲われる。
そして就業時間終了、上司2名と共にタクシーでホテルまで直行。
僕、全く会話に入らず(何が失言か分かったもんじゃないので)
〜ホテル到着〜
食事会場が準備中だったので定刻までロビーで待機。上司Bと雑談(僕は雑談がめっちゃ苦手)
だったけど、上司Bがうまく仕事の話を振ってくれたので、そこを起点に上手い具合に30分ほどやり過ごす。(多分気を遣われてます)
〜食事会開始〜
夜景が綺麗な会場に集合。
今日はとにかく【失言をしない】が目的だったので、食事会が始まっても乾杯のタイミングまでずっとマスク着用。ド緊張。マスクの下で口をモゴモゴさせたり、目瞑りながら白目剥いたりして平静を保つ。
しばらくえらい人に雑談の展開を任せながら横目で夜景を見つつ「こんな素敵な所に好きなキャラと一緒に来れたら幸せだろうな、でも自分の稼得能力じゃ一生無理なんだろうな」とか考え始めて滅茶苦茶死にたくなる。
ワインが注がれたのでチビチビ飲みながら場を誤魔化しながら思ったけど、そういえばこういう気品のある所で食事をした経験がほとんどない。
ほっといてもホテルマンからワインのおかわりが注がれるので「あ、じゃあガブ飲みした方が得じゃん」となる。飲酒のペースを上げる。
〜コース料理の配膳開始〜
最初はおつまみが配膳。甘エビのサラダとかひとくちサイズに七面鳥を焼いたやつ(?)とかが配膳される。
なるほどこれは美味しい。しかし爆食してはならない。周りを見て周りとペースを合わせながら喫食する。
僕は会話が下手くそらしいのでえらい人の会話の様子を観察してたんだけど、「自分語りばかりしない会話」を近くで観察するのってかなり珍しい気がする。
恥ずかしながら僕の喋るネタは専ら「今期アニメ何見てる!?!?自分は〜」しか存在しないので、「上手い具合に他人にパスして、完全に他人に喋らせるコミュニケーション」というものの手法に驚いた。
でも自分には無理だなあ。
「他人に興味がある」というオアシスの部分が心の中にないとダメで、「他人への興味」という部分が砂漠状態になってる自分にとってはああいうコミュニケーションは無理。でも話の振り方とかは学ぶ所あったなあ〜と思った。
会話の上手い人って会話にちゃんと連続性があるよね。ぷよぷよの連鎖とか、格ゲーでコンボ繋ぐのも上手そう。
〜前菜2種〜
カニのソースがけみたいな料理や、アスパラガスのサラダみたいなのが配膳される。
カニとかすごい久々に食べたし、アスパラガスの方はキャビア載っててビビる。キャビアとか生まれて初めて食った。濃厚な海鮮の味がするイクラみたいな感じで美味い。
皿も綺麗。持って帰りたい。
しばらくは上司A妻の話を聞きながらニコニコしてたんだけど、お酒に弱くて一杯で仕上がってしまったえらい人から色々話を振られるようになる。
僕の酔い度は正直余裕だけど、頑張ろう。
えらい人<君お酒強いの?
ぼく<まあ…弱くはないと思いますw
えらい人<普段お酒飲むの?
ぼく<まあ〜、たまにですかねえw (週2くらいでストゼロ飲んでるね)
えらい人<どれくらいまで飲めるの?
ぼく<限界ギリギリまで飲んだ事とかないんで分かんないですぅ〜(レサワサーバーで12杯飲んで吐いたことありますマジですんません)
はい
流石にホテルでの食事という事で、ワインが滅茶苦茶美味い。自分の中ではペースを落としつつも会話に入れず手持ち無沙汰なのでどうしたってガブ飲み。2.5杯くらい飲んだけど普段ストゼロばかり飲んでるのでまだまだ全く酔ってる感じではない。
〜メイン〜
子羊肉のステーキ。正直3口くらいで食べれるサイズだけど、ここはお上品な場なのでしっかり周りを観察して周りと同じペースで口に運ぶ。羊肉も初めて食ったけど美味い。やはりコース料理の前菜は白ワイン、メインには赤ワインが合う。
キャビアもそうだけど、こんなんスーパーで売ってないもんな…
うちの職場、酒飲めない人や酒飲めてもすぐ酔う人が多いせいか、自分のペースでワインを飲んでると「お酒強いね!?」と言われる。流石にペースがマズかったか?いや、でも僕は僕にとって普通のペースで飲んでるだけだが…と異世界転生の気分を味わう。
〜デザート類〜
チョコのムースみたいなやつ。これももちろん美味い。
食事会も佳境で、場の会話の熱が結構仕上がってくる。
僕は基本的にニコニコしてるだけだったんだけど、だんだんハイペースで会話の矢印が飛んでくるのでボロが出ないように話を合わせるので精一杯。こういう事があるから飲んでても平常心保ってないといけないわけで…
ふたたび皆の話を聞いてると旅行トークが一番話弾んでるなあという印象。
旅行は確かに共通の話題としては強いかもしれない。
特に「どこどこの名所に行って〜」、は会話の起点としてかなり強い。
僕は意外とライブ目当てで他の都道府県に行ったりするけど、普段の僕がやってる「ガチガチに予定組んで夜行バスで弾丸のごとく遠征し、ライブだけ見てすぐ家まで蜻蛉返りしてエクストリーム出勤する」はやっぱり一般的には旅行のうちに入らないみたい。
ライブ遠征って非オタク層には全く会話の種にならないし、旅程、ひいては人生にゆとりがあってこそ旅行の会話って成り立つんだなあと思った。
〜その他印象に残った話〜
あとは食後のコーヒーが出されてから印象に残った話を挙げる。
・上司Bが息子にバイオリン習わせてるみたいな話出てきてクッソびっくり。
金持ってるなあ〜、仮面ライダーの話とかする年頃やろそれ…と思って聞いてたら、上司Bが急に席を立つ。何事かと思ったら「子どもが熱出したみたいなんで帰ります!」との事。子持ちは大変だ…
・法律関係の職場なのでそれ関連の話も少し挙がった。恒心教の話出てきた時はちょっとワロタ。
・僕はこの職場で勤続は続いてるとはいえ下っ端も下っ端で、普段も仕事サボってばっかのカスなんだけど、えらい人の話を聞いてると僕の事を凄く評価してくれてるみたいで驚いた。酔った勢いとかお世辞も多分に含まれてるとは思うんやけど、「貴重で得難い人材」とまで言ってくれて、僕の能力を買ってくれてる感じ。
その時思ったんだけど、報われない環境で延々と頑張るより、自分の能力を認めてくれる人のもとで力を抜いて継続するのが人生一番楽で、楽なだけじゃなくちゃんと報われるんだなあと痛感した。こんな職場に大学卒業の1週間前に拾って貰えたなんて、人生って運ゲーだなあと。
・これも僕の努力は関係ないんだけど、法律職関係で金持ってる人ってみんな上品。
お酒の場なのに誰一人粗相もしないし。
息子にバイオリン習わせてる上司Bも驚いたんだけど、上司Aも乗馬が趣味。みんな貴族なん?
僕は荒れた地元で育った関係で品のない人間に囲まれて育ったのでそこも驚いた。
で、こんな人達と飲み食い出来る機会もまた決して僕の力で手に入れたわけではないので、やっぱり人生は運ゲーだなあと。
〜最後に〜
最後に僕の精一杯の社会性を振り絞り、上司A夫妻にサプライズでプレゼントを渡して解散の流れとなりました。
僕は手帳持ちだし、この場で唯一の童貞だし、この場で一番低学歴だし、両親離婚してるし、自殺未遂経験もある人間だからこんなおめでたい場に相応しい人間じゃないと今でも強く思う。
今回みたいな場でそういう話題をうっかり出してしまうと大事故なので【失言をしない】を大目標として掲げて今日参加したわけだけど、えらい人の話を聞いてると「自分の能力を高く見積もってくれる人」と巡り会えたのって凄く心強いなと思いました。
学生時代はこんな経験をした事なく、色々な意味で常にいっぱいいっぱいになりながら生きていたので、人生って自分みたいなカスがこういう方向性でいい思いしてもいいんだ、と思いました。世の中にはこういういい思いを人格形成期時点からたくさんしてる人間もいるんだろうなあ…とか考え始めるとまた辛くなるけど。
行く前は本当に緊張して死にたくなったけど、なんだかんだで行って良かったと思いました。