①【2017年】


・筆者が大4で就活、妹が高3で大学受験の年。

 


4月に、父親が働いていた保険会社が外資系企業と合併することになった。
今後は合併先の企業が中心になって経営していくらしく、

父親が勤務していた会社の職員の多くに異動命令が下るとのこと。


父親が命じられたのは「今の企業に残りたければ従来より転勤面で悪条件を飲んで貰う必要がある」という実質リストラのようなものだったらしいが、元々昔から転勤ばかりの人間で、これ以上の転勤を嫌った父親は家族の誰にも相談せずに無断で退職し、同僚のコネを使って同業他社に転職することとなった。


転職先は給料払いが良いらしく、当時ただでさえ余裕があった家族の生活ももっと楽になるのかと考えていたが、
転職先の職場ではパワハラや、重役からの人格否定(箸の持ち方がおかしいなど)が横行していたらしい。
これによって鬱陶しいくらい明るい性格だった父親もだんだんメンタルや体調を崩すようになり、転職先で行われた試験に落ちたのを契機にクビに。

10月から待遇の悪い別の会社へ転勤することになった。


今じゃ考えられないが、昔からそれなりに金銭的には裕福な家庭だったので、毎週末外食なんてのはザラで、家族で電化製品や服もよく購入していた家庭だった。
しかしこの時を契機に収入が大きく減り、食卓が露骨にしょぼくなった。(休日の昼飯が毎週末デリバリーから目玉焼き1個になった)


筆者は大学4年の年で、大学在学中ずっと公務員を専願していたので、大学1年の頃から必死に勉強していた。
この年に受けた地方公務員試験模試で全国1位を取れるようになるまで勉強して、
国家一般/裁判所/都道府県/市町村と色々な試験を受けたが、筆記は通っても一度も面接に通ることがなく全滅し、自殺を考えるようになる。
特に裁判所職員の試験はたまたまヤマを当てて倍率5.8倍の筆記を通過した先の面接で落ちたので、かなり痛かった。

 


ちなみに大学の単位は全て取り終えていたので大学でしていたバイトも春先に辞め、5月以降は公務員試験受験以外はずっと実家に引きこもり、貯めたバイト代を切り崩して暮らしていたが、この年の12月にお金がなくなったため、バイトをしながら就活をするようになった。
自分なりに頑張ってはいたが、公務員試験が全滅した筆者は、今まで通って親身にしていた大学の就職センターの職員からも冷たくあしらわれるようになり、就職相談先はハロワに切り替えることに。
市役所試験に落ちるまでは凄く期待してくれていたのに、なんとも勝手な人たちだと思った。


また、公務員試験受験中は父親からもそこそこ期待はされていたが、公務員試験の受験が失敗するやいなや筆者に対する態度が豹変。
内定ゼロで12月を迎えた時に、「今からでも最低でも一部上場企業に入って欲しい」「春から無職を養える余裕はない」など、好き勝手言われる始末。

妹も大学受験の年だったが、家族のムードが明確に暗くなり、まったく勉強が手に付かない状態にあった。